鎌倉寺巡り vol.4 【高徳院(大仏)・江ノ島】

鎌倉駅まで歩いてそこから電車に乗るつもりだったのだが、高徳院まで歩いても500mしか違わないことを知り、高徳院まで歩くことに。


道中は生活用路である。


ランドセルを背負った小学生や、子供を乗せた自転車をこぐお母さんがいる。山と隣り合わせのこの場所は、彼らの生活の場所なのだ。


先ほど歩いた道ほどは険しい道ではない。緩やかな道を通って、高徳院へ。


高徳院の大仏さまは、外からは一切見えない。木々などに隠れて見えないのだ。否、うまく隠されているのかもしれない。誰が、いつどの時代の人が隠したのかは知らないけれど。


拝観料を納めて高徳院に入ると、大仏さまは唐突に大きな姿を現わす。少し、戸惑う。あぁ、そうかこんな感じで姿を現わすのか…。


もともとは木の大仏殿があったらしいのだが、津波に流されて、その後に再建されることなく今に至るという。金属でできた大仏が錆びないよう、うまくコーティングなどがされ、後世にこのままの姿で残されていくのだろう。


大仏さまの胎内が見たくて、わずかなお金を納めて中に入る。胎内は、背中に開けられた窓から入る光で照らされている。


あの大きな像の胎内にいるというのが不思議で、冷ややかな空気を感じながら、しばらくその不思議さを味わって外に出た。


だいぶくたびれていた。流石に長谷から歩く元気はない。駅まで歩く道中、物欲に負けて抹茶ラテを買ってしまう。長谷からは江ノ電に乗る。海岸線を通る江ノ電は、乗っているだけでノスタルジーを感じられる。


もう一箇所、行きたいところがある。江ノ島だ。


江島神社の拝観時間は過ぎていたし、島自体を見たかったわけではない。島の観光は1年前にもしていたから。


ただ江ノ島の海岸に沈む夕陽を眺めたかった。


綺麗だった。


ありきたりな光景ではあると思う。写真も撮ったけど、なんだかどこかで見たことのある風景だ。


でも、波が寄せては引いて行く音、海風、そして1日歩きながら考え続けていたこと。そんなもの全部が、その夕陽に私にとっての特別な意味を与えてくれた。


非日常から帰るとき、帰りの電車ではいつも眠ってしまう。そして目がさめると東京の駅の雑踏に足を踏み入れて、東京からさらに1時間かかる自宅へ向かうのだ。


またいつか。